つむぐ体験談

難病と診断されて体力が激減。焦りを手放し、自分のペースを取り戻すまでの道のり

Tags: 難病, 体力の変化, セルフケア, 生活の工夫, 心のケア

診断後、体力の変化に戸惑った日々

難病と診断されて間もない頃、私の体は以前とは明らかに変わってしまいました。朝起きるのがつらい、少し動くとすぐに疲れてしまう、頭がぼうっとして集中力が続かないなど、これまでは当たり前にできていたことが難しくなったのです。

特に辛かったのは、以前の自分と同じように「頑張れない」ことへの焦りでした。会社では以前のようにテキパキと仕事が進められない、家事をするにも時間がかかる、趣味や友人との付き合いも億劫に感じてしまう。病気になる前の自分と比べてしまい、「どうしてこんなに体力がなくなったんだろう」「もう元には戻れないのかもしれない」と、漠然とした不安と悲しみに襲われました。

以前のペースで「頑張ろう」として、心が折れそうになった

診断を受ける前は、体力には自信がある方でした。仕事もプライベートもアクティブにこなし、多少の無理は平気だと思っていました。しかし、病気は私の体の許容量を大きく変えてしまったのです。

体力の低下を感じながらも、最初のうちは「気のせいだ」「もっと頑張ればできるはず」と、以前と同じペースで生活しようと無理をしてしまいました。しかし、頑張るほどに体は重くなり、回復にはより長い時間がかかりました。無理が続くと症状が悪化することもあり、焦って頑張ることが逆効果だと痛感する日々でした。

心も疲弊していきました。「どうして私はこんなに体力がなくなってしまったんだろう」「みんなは平気なのに、私だけが置いていかれている」という孤立感や劣等感を感じ、自分を責めることが増えていきました。

体の変化を受け入れ、「新しい自分」のペースを探す

心身ともに限界を感じた時、私は立ち止まりました。以前の自分と同じように「頑張る」ことはもうできない。大切なのは、病気と共に生きる「今の自分」にとって、最も心地よく、無理のないペースを見つけることではないか、そう考えるようになりました。

それは簡単なことではありませんでしたが、まずは自分の体と心に丁寧に向き合うことから始めました。具体的には、以下のようなことを試みました。

これらの工夫を一つずつ試していく中で、焦燥感は少しずつ薄れていきました。以前のような「頑張る」生活はできなくても、今の自分の体力や状態に合わせて、無理なく、しかし確実に「できること」を積み重ねていくことができるのだと気づいたのです。

焦らなくて大丈夫。自分らしいペースはきっと見つかる

難病と診断され、体力が変化した時、以前と同じようにできない自分に焦りや失望を感じるのは自然なことです。しかし、そこで自分を責めたり、無理に以前のペースに戻そうとしたりする必要はありません。

大切なのは、今の自分の体と心の声に耳を澄まし、その変化を受け入れることです。そして、少しずつでも、今の自分にとって無理のない「新しいペース」を探していくことだと思います。それは、以前よりもゆっくりなペースかもしれませんし、活動の質や量が変化するかもしれません。でも、それは決して「後退」ではなく、病気と共に生きるための、自分にとって最適な歩み方を見つける「前進」なのだと思います。

私自身、今でも体調の波に悩まされることはありますが、以前のように焦ることは減りました。自分なりのペースでできることを見つけ、その中で小さな喜びや充実感を感じられるようになりました。

もしあなたが今、体力の変化に戸惑い、以前のようにできない自分に焦りを感じているとしたら、どうか自分を責めないでください。そして、無理に頑張ろうとせず、まずは立ち止まって、自分の体と心の声に耳を澄ましてみてください。時間はかかるかもしれませんが、きっとあなたにとっての「自分らしいペース」が見つかるはずです。あなたは一人ではありません。この体験が、同じような状況にある方にとって、少しでも心の支えとなれば幸いです。