つむぐ体験談

難病と診断され、友人関係に変化を感じた時。心地よい距離を見つけるための私の工夫

Tags: 友人関係, 人間関係, 孤独感, 診断後, コミュニケーション, 心地よい距離

難病と診断されたばかりの頃、病気のこと、これからの生活のこと、様々な不安が頭の中を駆け巡りました。その中でも特に、私の中にあったのは「友人との関係はどうなるんだろう」という漠然とした心配でした。

診断後の友人関係への不安

それまでの私は、友人との予定を立てて外出したり、体調を気にせず長時間一緒に過ごしたりするのが当たり前でした。しかし、病気と診断されて、体調が優れない日が増え、急な体調変化に戸惑うこともありました。

友人に遊びや食事に誘われても、すぐに「行けるかな」と躊躇してしまう自分に気づきました。病気のことをどこまで話せば理解してもらえるのだろうか、話したら腫れ物に触るような扱いになってしまわないだろうか、あるいは逆に気を遣わせすぎてしまうのではないか。そんな考えが頭を巡り、以前のように気軽に連絡を取ることが難しくなっていきました。

実際に、体調を理由に約束を断ることが続くと、誘われる回数が減ったり、友人からの連絡が途絶えたりすることも経験しました。悪気はないと分かっていても、「もしかして、病気の私とは付き合いづらいのかな」「私だけ置いていかれるのかな」と感じ、深い孤独感を覚えることもありました。

関係性の変化と向き合う中で見つけたこと

友人関係に変化を感じ始めた時、私はいくつかのことを試みました。

一つ目は、自分の体調や気持ちを最優先にする勇気を持つことです。以前は「みんなに合わせなきゃ」「断ったら悪いな」という気持ちが強く、無理をしてしまうこともありました。しかし、無理がたたって後で体調を崩し、結局友人にも心配をかけてしまうという経験から、「今の自分には何が一番大切か」を考えるようになりました。体調が優れない時は正直に伝え、行けないことへの罪悪感を手放す練習をしました。最初は難しかったのですが、大切な友人であれば、私の状況を理解してくれるはずだと信じることにしました。

二つ目は、病気のことをどう伝えるか、自分なりの基準を持つことです。全ての友人に病気の詳細を細かく話す必要はない、と思うようになりました。親しい友人には、今の体調やできること・できないことなどを正直に伝えるようにしました。説明が難しい場合は、「少し体調を崩しやすくて、無理はできないんだけど…」といったように、差し支えない範囲で伝えるようにしました。伝えることで、お互いに気を遣いすぎることなく、無理のない範囲で一緒に過ごす方法を探ることができる場合もありました。

三つ目は、関係性の頻度や形式を柔軟に変えてみることです。以前のように頻繁に会うのが難しくても、メッセージアプリで日常の些細なやり取りを続けたり、短い時間だけオンラインで顔を見て話したりすることで、繋がりを感じることができました。会う場合も、体調に合わせて短時間にしてもらったり、自宅でゆっくり過ごす提案をしたりするなど、工夫を凝らしました。全ての友人と以前と同じような付き合い方ができなくても、形を変えて繋がり続ける方法があることに気づきました。

四つ目は、新しい繋がりにも目を向けてみることです。病気を通して知り合った仲間や、体調に関係なく楽しめる趣味のコミュニティなど、これまでの友人関係とは異なる場所で心地よい繋がりを見つけることもありました。新しい視点や価値観に触れることは、私の世界を広げてくれました。

心地よい距離感を見つけるためのヒント

友人関係の変化に悩んだ時、最も大切なのは「自分にとって心地よい距離感とは何か」を問い直すことだと感じています。

病気になったことで、友人関係に変化が生まれることは自然なことなのかもしれません。離れていってしまった人もいる一方で、以前よりも深く繋がることができた友人や、新しく出会えた大切な人たちもいます。

すべての人間関係を維持しようと焦る必要はありません。今の自分にとって、無理がなく、心地よいと感じられる繋がりを大切にしていくことが、心を穏やかに保つことに繋がるのではないでしょうか。変化を恐れすぎず、自分らしいペースで、人との温かい繋がりを育んでいくことを願っています。